発達障害とは?

発達障害について

発達障害は、生まれつき脳内にアンバランスさが生じている状態のことを言います。幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。

発達障害は、同じ障害名でも10人いれば10通りの特徴があると言われます。

成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。

ですが、発達障害は「先天的なハンディキャップ」ではなく、「一生発達しない」のでもありません。発達の仕方が通常の子どもと異なっていますが、支援のあり方によって、
それがハンディキャップとなるのかどうかが決まるといえます。

人は、家庭環境や教育環境など、様々な外的要因に影響を受けながら一生を通して発達していく存在であり、それは発達障害を持つ方も同様です。

発達障害のお子様に対し「早ければ早いほど良い」早期療育の重要性が伝えられるのはこのことから言えるのでしょう。

発達障害の特徴

生まれつきの特性で「病気」とは異なります。

発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などが含まれます。

  • 自閉症スペクトラム障害

    広汎性発達障害(自閉症)と高機能自閉症、アスペルガー症候群などの高機能広汎性発達障害も含まれており、 人の気持ちや場面に合わせた対人交流ができない、という特徴を持っています。

  • 学習障害

    特定の脳の領域の働きとほかの領域が連動しにくく、知能に見合った読み、書き、算数の習得が難しい場合をさします。

  • 注意欠陥性多動障害(ADHD)

    衝動を制御したり、また、集中することが苦手で社会のルールを守ることが難しい状態をいいます。 これらの発達障害は互いに関連し、影響しあっている場合があります。

発達障害のサイン・症状

自閉症スペクトラム障害

  • 1歳を過ぎた頃からサインが現れます

    典型的には1歳台で、人の目を見ることが少ない、指さしをしない、ほかの子どもに関心がない、などの様子がみられます。
    対人関係に関連したこのような行動は、通常の子どもでは急速に伸びるのと違って、自閉症スペクトラム障害の子どもでははっきりしません。
    保育所や幼稚園に入ると、一人遊びが多く集団行動が苦手など、人との関わり方が独特なことで気づかれることがあります。
    言葉を話し始めた時期は遅くなくても、自分の話したいことしか口にせず、会話がつながりにくいことがしばしばあります。
    また、電車やアニメのキャラクターなど、自分の好きなことや興味のあることには、毎日何時間でも熱中することがあります。
    初めてのことや決まっていたことの変更は苦手で、なじむのにかなり時間がかかることがあります。

  • 成長するにつれ症状は変化し、人それぞれに多様化します

    思春期や青年期になると、自分と他の人との違いに気づいたり、対人関係がうまくいかないことに悩んだりし、不安症状やうつ症状を合併する場合があります。
    幼児期に診断を受け、早期療育や周囲の理解と支援を受けて成長した人たちの中には、成長とともに症状が目立たなくなる人や、能力の凸凹をうまく活用して社会で活躍する人もいます。

注意欠如・多動性障害(ADHD)

7歳までに、多動-衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が現れ、そのタイプ別の症状の程度によって、多動‐衝動性優勢型、不注意優勢型、混合型に分類されます。
小学生を例にとると、多動‐衝動性の症状には、座っていても手足をもじもじする、席を離れる、おとなしく遊ぶことが難しい、じっとしていられずいつも活動する、 しゃべりすぎる、
順番を待つのが難しい、他人の会話やゲームに割り込む、などがあります。
不注意の症状には、学校の勉強でうっかりミスが多い、課題や遊びなどの活動に集中し続けることができない、
話しかけられていても聞いていないように見える、 やるべきことを最後までやりとげない、課題や作業の段取りが下手、整理整頓が苦手、宿題のように集中力が必要なことを避ける、
忘れ物や紛失が多い、気が散りやすい、などがあります。

学習障害(LD)

全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の事柄のみが難しい状態を指し、それぞれ学業成績や日常生活に困難が生じます。
こうした能力を要求される小学校2~4年生頃に成績不振などから明らかになります。

治療について

  • 自閉症スペクトラム障害

    幼児期に診断された場合には、個別や小さな集団での療育を受けることによって、コミュニケーションの発達を促し、適応力を伸ばすことが期待できます。
    また、療育を経験することによって、新しい場面に対する不安が減り、集団活動に参加する意欲が高まります。 言葉によるコミュニケーションに頼りすぎず、
    視覚的な手がかりを増やすなどの環境面の工夫をすれば、子どもの不安が減り、気持ちが安定し、パニックが少なくなることが期待できます。 早期に診断することは、
    親が子どもをありのままに理解し、その成長を専門家のサポートとともに見守っていくことに役立ちます。

  • 注意欠如・多動性障害(ADHD)

    幼児期や児童期に診断された場合には、薬物療法と行動変容、そして生活環境の調整が行われることが多いです。
    生活環境の調整としては、勉強などに集中しないといけないときには本人の好きな遊び道具を片づけ、テレビを消すなど、集中を妨げる刺激をできるだけ周囲からなくすことが重要です。
    また、集中しないといけない時間は短めに、一度にこなさなければいけない量は少なめに設定し、休憩をとるタイミングをあらかじめ決めておくことも効果的です。
    自閉症スペクトラム障害と同様、親をはじめとする家族や専門家がADHDに対する知識・理解を深め、本人の特性を理解することが、自分を信じ、勉強や作業、社会参加への意欲を高めることにつながります。

  • 学習障害(LD)

    学習障害の子どもに対しては、教育的な支援が重要になります。
    読むことが困難な場合は大きな文字で書かれた文章を指でなぞりながら読んだり、
    書くことが困難な場合は大きなマス目のノートを使ったり、
    計算が困難な場合は絵を使って視覚化するなどのそれぞれに応じた工夫が必要です。
    親と教育機関、専門家が子どもにある困難さを正しく理解し、決して子どもの怠慢さのせいにしないで、
    適切な支援の方法に基づき情報を共有し療育することが大事です。

参考:厚生労働省HP