ブログ
 

柿の実幼稚園講演会

2017.12.04     研修

利用者様とのご縁があり、11月30日(木)に柿の実幼稚園にて講演会を実施致しました。

 

 

——–テーマは「自律に向けて」——–

年少さんから年長さんまで、様々なお悩みを抱えているお母様・お父様方にお越しいただきました。

自らを律すると書いて”自律”ですが、我慢ができる・自分の気持ちを抑えて、相手に譲ることが
出来る・お話を聞いて行動できる等、その意味は色々あるかと思います。今回は気持ちの
部分の自律を主に扱いました。

 

内容としては「①自律に大切な、いやいや・怒り等の不快な感情②思いやり③子どもと接する
ときに大切な枠組み」等のお話しをしました。

 

①では、脳の部分を「いやいや脳」「おりこう脳」と名付け、不快な感情を出すことは生きていく
上で大切な反応で、この2つの脳が上手く調節できないために、”いやいや”や癇癪が起きること
をご説明させていただきました。2歳~小学校低学年の時期に、周りの大人が適切に関わって
あげることがとても大切です。この時期に上手く関われないことが続いてしまうと、抑えられた
「いやいや脳」が反発して、小学生になっても感情のコントロールが難しくなったり、
親の前では良い子だけど、親の目が届かないところでいじめをしてしまったりする可能性があります。

 

②では、相手を思いやるためには、まずは自分自身の嬉しい気持ちも嫌な気持ちも認めてもらう必要
があることを話しました。子どもがぐずぐずしていたり、怒っているときに「嫌だったね。
○○したかったね」と声をかけることは難しいことがあります。しかし、自分の色々な気持ちを認めて
もらうことは、同時に相手の気持ちも考える能力を開発していることになります。

 

③では、
大人が枠組みを示す(例:スーパーに行ってもお菓子は買わない)

子どもは不快な感情を出す(例:やだやだ!買って買って)

不快な感情は認めつつ、枠組みは変えない(例:「そうだね。お菓子欲しいね。」と気持ちを
認めるが、お菓子は買わない」

という、自律に向けての対応の枠組みをお話しました。この対応は普段、皆さまが自然としている
ことだと思います。しかし、この「不快な感情を認めつつ」という対応は難しい場面もあるのでは
ないでしょうか?大切なのは、不快な感情を認めることと枠組みを変えないことがセットになって
いるところです。認めるだけで枠組みを変えてしまうと、子どもの言いなりになってしまい、認めず
に枠組みだけ変えないと「いやいや脳」が上手く働かず、「おりこう脳」が何とか働いて、でもどこかで反発
が起きて…となる可能性があります。

 

こういった自律に向けてのお話をお伝えし、実際の場面を想定してどのように声掛けをするかという
グループワークも行いました。

 

「不快な感情を認めることはわがままではなく、成長に必要だということ」「自分の嬉しい気持ちも
不快な気持ちも認めてもらうことが、相手を思いやる能力を育てているということ」こうした
メッセージが少しでもお伝えできていれば幸いです。

 

講演会の後は、心理(臨床心理士)・言語(言語聴覚士)・運動(作業療法士)のグループに分かれ
て、それぞれtomorrowのスタッフからお話をした後、お困り事を皆さまで共有しながら聞いていきました。
心理では日常のお困り事に対して、ABA(応用行動分析)を用いてどのように考えていくか、言語では
幅広く言語面での話、運動では姿勢に関してお話をさせていただきました。

 

お話を伺ってアドバイスをさせていただく中で、保護者様のお悩みの共通部分の多さを改めて実感しました。
時間の都合上、皆さま一人一人のお悩みを伺うことはできませんでしたが、何か一つでも今後の
お力添えになっていれば幸いです。

 

今後もtomorrowは地域支援の観点から、こうした講習会やグループワークを積極的に行って参ります。
今回、講演会を企画してくださった皆さま、並びにご参加いただきました皆さま、本当にありがとうございました。

 

 

児童発達支援室tomorrow
臨床心理士  成島 絹登